ロードサイド店舗の転貸における家主の立場からのリスクとデメリットについて
基本的に、家主が転貸をすることで得られるメリットは何もありません。そのため、転貸はしないに越したことはありません。
しかし、様々な事情により転貸をせざるを得ない状況になった場合に、家主がどのような点に注意すべきかについて説明します。
ロードサイド店舗の転貸は、大きく分けて以下の3種類があります。
1.
不動産業者が行う転貸(サブリース)
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ロードサイド店舗は一般的に単独のテナントが多く、家主にとって管理が面倒になることはありません1。
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修繕や維持管理はテナントの責任で行われ、家賃回収も確実に行われるため、家主にとってサブリースによるメリットは特にありません1。毎月の家賃から一定金額が差し引かれるだけです
2.
ビジネスモデルとしての転貸
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代表的な例はコンビニエンスストアです1。家主はコンビニ本部と賃貸借契約を締結し、本部がFC(フランチャイズ加盟店)に転貸する形式です1。家賃はコンビニ本部から家主へ振り込まれます。
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このような確立されたビジネスモデルの場合、転貸によるデメリットは特にありません。
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ただし、多くのフランチャイズ契約では転貸の形をとらず、家主とFC加盟店が直接契約する場合が多いです。
3.
賃貸をしているテナントからの転貸承認要請1
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家主が転貸の意思がないにもかかわらず、相手方から要求される最も複雑なケースです。
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承諾する場合の注意点
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現在の賃貸借契約書の確認: 転貸禁止条項が含まれている場合は、原則として許可されませんが、家主の承諾があれば可能になるケースも多いです1。承諾するかどうかは家主次第となります。
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合意書や覚え書きの作成: 転貸を許可する場合、新たな条件を追記した書面を作成する必要があります。
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転貸先の借主(サブテナント)の信頼性の確認: 信頼できる事業者であるか確認し、現在のテナントから会社情報の書面提出を求めることが望ましいとされています。
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責任の所在の明確化: 転貸を認めても、元の借主である現在のテナントが賃料の支払いや現状回復などの契約義務を果たす必要があることを明確にします。家主はサブテナントと直接契約しないため、トラブル時の対応をあらかじめ整理しておく必要があります。
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用途や営業内容の確認: サブテナントがどのような用途で物件を利用する予定かを確認します。不適切な用途や契約条件に反する利用は、物件や周辺環境に悪影響を及ぼすリスクがあるためです。
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契約期間の確認: サブリースの契約期間が、現状回復の期間を含め、元のテナントの契約期間内であるかを特に確認する必要があります。
家主の立場から見ると、テナントからの転貸は様々な問題点があり、メリットはありません1。そのため、基本的には転貸を認めないことが望ましいとされています1。しかし、現在のテナントに退去されると後継テナントを見つけるのが難しい場合など、やむを得ず転貸を承諾せざるを得ない状況もあるため、慎重に判断する必要があると結ばれています。