初期投資を抑えてスピード出店!「造作譲渡」のメリットと注意点

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初期投資を抑えてスピード出店!「造作譲渡」のメリットと注意点

店舗の出店を考えている皆さん、初期費用や準備期間は大きな課題ですよね。そんな時に注目したいのが「造作譲渡(ぞうさくじょうと)」という方法です。今回は、出店コストを大幅に削減し、オープンまでの期間も短縮できる「造作譲渡」について、そのメリットと、思わぬ落とし穴にはまらないための注意点をご紹介します。

「造作譲渡」とは?

「造作譲渡」とは、前のテナントが使っていた内装設備や什器などを、次のテナントが引き継いで出店することを指します。具体的には、空調、厨房設備、冷蔵庫、さらにはテーブル、椅子、家具、食器類なども含まれることがあります。

これまで店舗を退店する際は、スケルトン(建物の躯体のみの状態)にして原状回復するのが常識でした。しかし、ロードサイド店舗で急成長した「ステーキのけん」や「焼肉 牛蔵友好」といったチェーン店が、造作譲渡を活用して出店コストを削減し、出店スピードを上げたことで、この方法が一気に広まりました。この流れを受け、大手ファミリーレストランや焼肉店も「居抜き物件」や「造作譲渡」の物件への出店を積極的に行うようになり、さらに退店する側の飲食店や美容院、整骨院などからも、撤去費用がかからず有償で売却できる可能性があるため、造作譲渡を希望する声が増えています。

出店者にとっての2つの大きなメリット

造作譲渡物件に出店する側にとってのメリットは、主に以下の2点です。

  • 1. 出店コストの大幅削減
    • これが造作譲渡の最大の魅力です。物件によっては、最初の設備投資が何千万円も安く済んだという例も多くあるとされています。内装や設備を一から揃える必要がないため、初期費用を大きく抑えることができます。
  • 2. オープンまでの期間短縮
    • 特に多店舗展開を目指すテナントにとって、オープンまでの期間短縮は非常に重要な要素です。初めて店舗を出す場合でも、内装工事中に賃料が発生することがあるため、期間が短縮できれば賃料の無駄を抑えられ、非常に助かります。

出店する側にとってこれらのメリットは非常に大きいため、造作譲渡は積極的に利用する価値があると言えるでしょう。

見落としがちな3つの注意点

しかし、造作譲渡には「メリット」と呼べるほどではないものの、**「お気を付けないといけない注意点」**がいくつか存在します。これらの注意点を怠ると、後々大きなトラブルに発展する可能性があるので、必ず確認しましょう。

  • 1. オーナー(家主)さんの同意が必須
    • 造作譲渡の話は、退店するテナントから直接持ちかけられることが多々ありますが、家主さんの同意がなければ、その物件を借りることはできません。家主さんにとって、造作譲渡がどう行われるかは直接関係のない話であるため、必ず事前に話を通し、同意を得ることが重要です。また、物件を管理している不動産会社がある場合は、そちらとも話ができているかを確認する必要があります。
  • 2. リース契約の残債に注意
    • 前のテナントから引き継ぐ造作設備に、リース契約の残債が残っていないかを確認しましょう。前のテナントから「このリースを引き継いでほしい」と持ちかけられるケースもありますが、これはトラブルになることが多いため、基本的には引き継がずに、前のテナントに契約を終了してもらうのが望ましいです。
  • 3. 退去時の原状回復義務について確認
    • 前のテナントが家主さんとの間で、退去時に原状回復をする契約を結んでいる場合があります。造作譲渡で設備を譲り受けた場合、次のテナントが退去する際に、前のテナントの原状回復義務を負わなければならないケースがあるため、引き継ぐ設備が退去時に撤去が必要かどうかを必ず確認しておく必要があります。

専門家からのアドバイス

多くの店舗を見てきた経験から、専門家は「何らかの理由で、前のテナントがその物件を閉店するに至った原因を、自分なりに考えることが大事だ」とアドバイスしています。初期費用にばかり気を取られ、立地を軽視することのないように、総合的に判断することが非常に大切です。

造作譲渡は魅力的な出店方法ですが、これらの注意点をしっかり把握し、賢く活用して理想の店舗を実現しましょう!

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