今日は、土地活用を考えている地主様にとって、**「リスクが圧倒的に少ない」**と断言できる素晴らしい方法、「事業用定期借地」についてご紹介します。しかし、この魅力的な土地活用には、地主様が知っておくべき「不都合な点」も存在します。
「事業用定期借地」ってどんな土地活用?
まず、「事業用定期借地」とは何か、基本的な情報から見ていきましょう。
- 目的: もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的とする土地活用です。簡単に言えば、テナントさんが事業用の建物を建てるために土地を借りる形式です。
- 契約期間: 10年以上50年未満と定められています。
- 契約方法: 公正証書によるものでなければなりません。
この事業用定期借地は、ロードサイド店舗に貸したいと考える地主様にとって、圧倒的にリスクの少ない土地活用です。
なぜ「リスクが少ない」と断言できるの?
土地活用における最大のリスクは、テナントの経営が悪化して退去してしまい、建築費用などの投資が回収できなくなることです。しかし、事業用定期借地では、そのリスクがほとんどありません。
- テナントが建物を建てる: なんと、店舗の建物はテナントが自ら建ててくれるのです!
- 地主の初期投資がゼロ: これにより、地主様は最初から全く投資をせずに済むため、そもそもリスクが存在しないのです。
よくある誤解を解消!
不動産業者や建築会社の中には、「途中で自由に土地を売却できない」「途中で契約を解約できない」といったデメリットを挙げる人がいますが、これは間違いです。
- 高値での売却も可能: むしろ、良い条件で良いテナントに事業用定期借地で貸している土地は、更地の時よりもずっと高い値段で取引される傾向にあります。
- 一般的な賃貸借も同様: 事業用定期借地ではない一般的な建物賃貸借契約であっても、貸主から正当な理由なく解約することはできません。
魅力的なのに情報が少ない?「不都合な点」とは
地主様にとって非常にメリットの大きい事業用定期借地ですが、残念ながらその情報はものすごく少ないと言えます。これが「不都合な点」です。
その主な理由はこちらです。
- 建築会社が情報を持ってこない: テナントビルとは異なり、ロードサイド店舗の情報は不動産業者ではなく、建築会社やハウスメーカーが持っていることが多いです。なぜなら、彼らはテナントに店舗を提案することで契約を獲得し、店舗の建物の建築を受注したいからなのです。その工事は競争が少なく、非常に大きな利益を得られることもあります。
- 地主からの工事発注がない: しかし、事業用定期借地の場合、地主様からの工事発注はありません。そのため、建築会社が地主様に情報を持ってくる動機がそもそもないのです。
- 出店希望のテナントが少ない: そもそも、事業用定期借地で出店してくれるテナントは、一般的な「建て貸し」(地主が建物を建てて貸す形式)に比べて少ないという現実もあります。
- 担保設定の土地はNG: また、抵当権が設定されている土地には、基本的に事業用定期借地で出店してくれるテナントはいないと考えた方が良いでしょう。
どうすれば「事業用定期借地」で土地活用できる?
情報が少ない事業用定期借地ですが、活用の道がないわけではありません。
- 専門家への相談: まずは、ロードサイド店舗に強い専門の不動産会社に相談することをおすすめします。
- 地域密着の不動産会社: または、地元のロードサイド店舗に詳しい建築会社ではない不動産会社に相談するのも良い方法です。