家主様必見!突然の賃料減額要請、その正体は?

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家主様必見!突然の賃料減額要請、その正体は?

最近、「テナントさんから賃料減額のお願いが来て困っている」という家主様からのご相談が、特に増えています。ご心配されている方も多いのではないでしょうか?

実は、賃料の減額要請には2つのタイプがあります。一つは、コロナ禍の影響など一時的な事情による「緊急措置的」な期間限定の減額要請(2~6ヶ月程度)。これは売上が回復すれば元の賃料に戻る、というケースですね。

そしてもう一つ、今回特に注意していただきたいのが「今後継続的に賃料を下げてほしい」という長期的な値下げ交渉です。

「値下げ交渉に来た人、本当にテナントの社員さん?」まず確認すべきこと!

ご相談を受けた際、私が家主様に最初に確認することは「交渉に来たのは本当にテナントさんの社員さんでしたか?」ということです。

「もちろん名刺ももらっていますよ」と見せていただく名刺の中には、驚くべきことに、一見テナントの社員と見間違えるような名刺でも、よく見ると連絡先の住所や電話番号がテナントと違う、というケースが非常に多いのです。

実は、その人物はテナントの社員ではなく、「賃料値下げ業者」と呼ばれる専門の業者である可能性が高いのです。中には「私はテナントの社員ではありません」と正直に名乗る業者もいるようですが、そうでない場合は特に注意が必要です。

賃料値下げ業者とは?その手口に迫る

この賃料値下げ業者とは、一体どのような仕事をしているのでしょうか?

彼らは、「賃料の減額を成果報酬で代行します」という営業トークでテナントにアプローチしています。例えば、「報酬は下がった家賃の1年分だけで、それ以降は御社の利益になります」といった提案をするのです。

そして、テナントから依頼を受けると、家主様との交渉を代理で行ったり、テナントに同行して交渉に臨んだりします。しかし、彼らは特別な資格を持っているわけではありません。宅建業者でもなければ、弁護士や司法書士でもないのです

本来、家主様とテナントさんの間には強い信頼関係があるべきです。私自身、この店舗関係の仕事を30年以上続けてきて、信頼関係こそが最も大切だと痛感しています。このような業者が間に入ると、その信頼関係が壊れてしまうことも少なくありません。

家主様へのアドバイス:どう対応すべきか?

もし、賃料減額のお願いが文書で届いたり、面談で要請されたりした場合は、まず最初に「交渉に来られた方が本当にテナントの社員であるかどうか」を必ず確認してください

もし、その方がテナントの社員でなければ、その交渉は一度断っても問題ありません

テナントさん側に事情があるのは理解できますが、もし減額のお願いをするのであれば、代表者の方でも社員の方でも構いませんので、自社の人間が直接お願いすべきだと、私は考えています。

私たちのような信頼できる仲介者が間に入る場合は、家主様とテナントさんの双方の立場や状況を考慮し、お互いが納得できる着地点を探します。そして、双方の信頼関係が継続できるよう、最善の努力を尽くします。もちろん、この交渉は家主様にとって無料です。減額したことで報酬をいただくようなことは、家主様に申し訳が立ちませんからね。

突然の減額依頼でご心配や悩みを抱える家主様も多いと思いますが、まずは落ち着いて、交渉相手の身元をしっかり確認することが第一歩です。

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