【貸主・テナント必見!】不動産の「転貸」はなぜトラブルになりやすい?ケースごとの注意点を解説!

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【貸主・テナント必見!】不動産の「転貸」はなぜトラブルになりやすい?ケースごとの注意点を解説!

店舗ビジネスをされている方や、これから土地活用をお考えの皆様、こんにちは!不動産の賃貸借契約において、**「転貸(てんたい)」**という言葉をご存知でしょうか?簡単に言うと、借りた物件をさらに別の第三者に貸すことですね。

一般的に、不動産賃貸借契約書ではこの転貸が禁止されているケースがほとんどです。しかし、特に店舗物件では、実際には転貸が行われている例も少なくありません。そのため、契約時に貸主と借主の間で転貸を認めるか否か、話し合いになることも多々あります。

今回は、この転貸について、貸主とテナント双方の立場から、なぜトラブルになりやすいのか、そしてどのような場合に認められる(あるいは認めない方が良い)のか、具体的なケースを交えながら解説していきます。

貸主(大家さん)から見た「転貸」の危険性とは?

まず、貸主の立場からすると、転貸を認めることに良いことはほとんどないと言えるかもしれません。主な懸念点は以下の通りです。

  • どんな転借人が入るか分からない: テナントが誰に物件を貸すのか、どんな業種の人が入るのか、近隣に迷惑をかけるような人ではないか、といった点が貸主からは見えません。
  • 元の契約終了後も転借人が立ち退かないリスク: 元々のテナントとの契約が終了した後も、転借人が物件から立ち退かない、という心配もあります。

これらの理由から、多くの貸主は転貸を認めない傾向にあります。では、なぜテナントは転貸を求めるのでしょうか?

テナントが「転貸」を求める5つの理由とその対応

テナントが転貸を希望する背景には様々な事情があります。主な5つのケースと、それに対する貸主の対応について見ていきましょう。

1. 中途解約の違約金が大きすぎる場合 賃貸借契約には、中途解約時に高額な違約金(保証金の全額没収や建設協力金の全額没収など)が設定されていることがあります。場合によっては何千万円もの高額になることもあります。この違約金が大きすぎて中途解約ができないため、契約満了まで転貸を認めてほしい、とテナントから要望されるケースです。

  • 貸主の対応: この場合は、転貸を認めても良いと考えることもできます。中途解約の違約金は貸主の安定経営に不可欠な条件であり、その条件と引き換えに転貸を認めるという選択肢はあり得ます。

2. 設備リースを中途解約できない場合 テナントが契約している設備リース会社との契約を中途解約できないため、貸主との賃貸契約も中途解約できない、という理由で転貸を求めるケースです。

  • 貸主の対応: このような理由で転貸を求められた場合は、はっきりと断るべきです。多くの場合、テナントの経営状況が非常に厳しい状態であり、とにかく転借人にリースを引き継がせることや設備を売却することを優先しており、貸主やその後の転借人のことまで考えていない可能性が高いからです。貸主にとって非常に危険が多い状態と言えます。

3. テナントが投資した設備を転借人に売却したい場合 テナントが内装工事や設備投資を行った費用を回収するため、その設備を転借人に売却したいと希望する場合です。

  • 貸主の対応: こちらも前述の理由と同様に、テナントの経営悪化が背景にあることが多く、貸主はきっぱりと断るべきです。

4. 建物の一部の転貸をしたい場合 テナントが借りている物件の一部を、別の事業者に転貸し、その賃料の一部を負担してもらいたいと考えるケースです。

  • 貸主の対応: この要求は、貸主にとって認めない方が良いです。賃料の一部を負担してもらいたいと考えている時点で、テナントの賃料支払能力に懸念があると考えられ、貸主がそのテナントに継続して貸すのは難しいと判断できます。また、転貸の場合、貸主とテナントの契約が終了すれば、当然転借人の地位も終了しますが、この認識が転貸人(元のテナント)と転借人の間でうまく共有されていない場合もあります。

5. 契約を終了するより転貸する方がテナントにとって利益が出る場合 昔から安く物件を借りており、契約を終了するよりも転貸する方がテナントにとって利益が出る(いわゆる「底地」のような状態)ケースです。

  • 貸主の対応: この場合は、貸主は物件を安く貸しすぎている状態と言えます。転借人と直接契約した方が、貸主にとって収益が増える可能性が高いです。したがって、転貸を認める必要は全くなく、契約を解除して新しいテナントと直接契約すべきです。

まとめ

このように考えると、貸主にとって転貸を認めることにメリットはほとんどありません。

唯一、中途解約時に大きな違約金が設定されており、その条件として転貸を認めざるを得ない場合は、やむを得ないケースと言えるでしょう。

しかし、不動産の賃貸借契約、特に転貸に関しては、様々なケースが存在し、一概には言えない部分も多々あります。個別の状況に応じて判断が異なることもありますので、ご自身のケースに不安がある場合は、専門家にご相談いただくことを強くお勧めします。

この情報が皆様のお役に立てれば幸いです!

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