店舗の出店を考えている皆さん、物件探しはどうされていますか?街の不動産屋さんを訪ねて、要望を伝え、パソコンで物件を探してもらう――そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、この「物件を探してもらう」際に不動産屋さんが利用する**「REINS(レインズ)」というシステムだけでは、本当に「良い店舗物件」を見つけるのが難しい**、という話をご存知でしょうか?今回の記事では、その理由を詳しく解説していきます。
REINS(レインズ)って、そもそも何?
まず、REINSについてご説明しましょう。 REINSとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのことです。英語の「Real Estate Information Network System」の頭文字を取って名付けられました。
このシステムは、全国にネットワーク(東日本レインズ、中京レインズ、近畿レインズ、西日本レインズ)があり、日本の不動産業界はREINSなしには成り立たないと言われるほど重要です。不動産会社は、賃貸であっても売買であっても、物件を預かったらまずこのREINSに登録します。そして、お客様が希望する物件を探す際に、このREINSを使って検索するのが一般的な流れです。
なぜREINSでは「良い店舗物件」が見つかりにくいのか?
ここが今回のポイントです。REINSに登録される物件情報は、主に以下のような項目です。
- 物件の所在地
- 鉄道の沿線・駅、駅から徒歩何分か
- 土地面積、建物面積
- 家賃、家賃の坪単価
- 前面道路の幅員(ふくいん)
- 所在階(物件が何階にあるか)
- 駐車台数
- 築年数
これらの項目を見てお分かりのように、REINSで知りたい情報の中心は、マンションなど住居を借りる際に必要な情報がメインなのです。
例えば、あなたが「レストランを出店したい」と考えているとします。その際、あなたはきっと「こんなイメージのお店で、こんなお客さんをターゲットにしたい」という明確なビジョンを持って不動産屋さんを訪れるでしょう。
しかし、REINSには、店舗物件の成功に不可欠な以下のような情報が登録できません。
- 周辺人口
- 前面道路の車の交通量
- 人の通行量(人通り)
街の不動産屋さんがREINSで検索できるのは、店の大きさや家賃、最寄りの駅、駅までの徒歩分数といった情報に限られてしまうため、お客様の具体的なイメージやターゲットに合った物件を探し出すのが非常に困難なのです。
結局、良い物件かどうかは「自分で判断する」しかない
残念ながら、REINSは賃貸マンションの取り扱い量が店舗物件に比べて圧倒的に多いため、店舗物件に特化した詳細なデータ項目が少ないのは仕方のない部分もあるかもしれません。
このため、街の不動産屋さんでは、物件を紹介してもらうことはできますが、それが**「良い店舗物件」かどうかを最終的に判断するのは、出店を考えているあなた自身**にかかっています。
例えるなら、REINSはまるで、あらゆるジャンルの本がずらっと並んだ巨大な図書館のデータベースのようなものです。居住用マンションという「一般的な小説」を探すのには非常に便利ですが、「特定ジャンルの専門書、しかもその中でも読者の層や内容まで細かく指定したい」という「店舗物件」を探す場合は、データベースの情報だけでは不十分で、結局は自分で足を運び、内容を確認し、周辺環境を肌で感じ取る必要がある、ということなのです。
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